N's Eyes ブログ(アーカーブ2005.4〜2006.1) | kikuchi naoko

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はじめまして、箏演奏家の菊地奈緒子です。
私のHPに来て下さって(迷い込んで下さって?!)ありがとうございます。
箏に触れてから何10年もの年月が流れました。
私自身は「箏っておもしろい!音楽って素敵!」と思う間もなく、まして「箏演奏家」というものがこの世に存在しているとは思わずにこの楽器に出会っていました。
現在、箏を追求していけば行く程、世界が拡がり、価値観も多様になっていきます。
「Nの目線」は上にも、真直ぐにも、下にも、そして360º回転して向けられていきます。
どうか、皆様と共感しあえたり、時に疑問をぶつけあったりしながら、様々な発見が出来ますように…。
「自己分析です。その1」
「後ろ向きです。そのくせにゆずりません。
どうせ変えないのなら、悩んだり、くよくよしたりしなければ良いのに、
それすら変われません。」
「ご存じのとうり…」
「うっかり八ベエです。疲れてくると、行ってしまえ!!と半ば自棄になってきます。
お陰で、新幹線の最終仙台行きに乗るはずが、先に来た那須塩原終点に乗ってしまい、
最終仙台行きが那須塩原には止まらないと後から気がついたのも、目の前を乗るべき
新幹線が通り過ぎた時でした。
結局車掌さんの御好意で那須塩原車掌室に御1泊させて頂きました。」
「自己分析です。その3」
「職人大好きです。てんぷらを揚げている料理人をかっこいい!!と思ったりします。
限定品とか、たまりません。一つ一つに込められた気持ちみたいなものを感じるからです。
逆に、万人に好かれようとしてる物は、別に私が好きにならなくても良いかな…
と思ってしまいます。」
「ギャル語」
「この間、ギャル語分析みたいなものをやっていて、
GJ = 良くやった! ナイス!  とか  盛る=お化粧する、飾り付ける
などなど… ギャル語って、着眼点とか、発想の転換とか面白い!と思ってしまいました。
しかしながら、サウンドとして流れの美しさは感じませんでした。」
「世の中の役にたたないもの」
「今、「世にも美しい数学入門」を読んでいます。
お茶の水大学の藤原正彦先生と作家の小川洋子さんの対談です。
その中に、「数学は現時点で役に立たない、非実用的なもので、
どこに価値基準を置くかとすれば、美しいか否かである。
学問の定義からすると、価値が高い、高尚なのはむしろ無益なほうである。」とあり、
さらに数学者を排出するには美的感受性を育てていかなければならない、ともありました。
自分のしている事が、何の役に立つのだろうと感じていた私には目の前が開けるような言葉でした。
人が生活をするためだけでない生き方も、人を癒すためだけではない音楽もありなのですね。」
「コンクール」
「邦楽ってあまりコンクールとかピンとこないかもしれないのですが、
箏は老若男女問わず(??)全国いろいろな所で開催されています。
私も、先日熊本の邦楽コンクールを受けてきました。
邦楽コンクールとあって、箏、尺八、三味線、琵琶、合奏、
と部門別があり、賞は合同の審査で決まります。
今回もまたもや奨励賞で終わってしまい、賞自体よりも、
5分という限られた時間、審査という嫌な空気のなか、
どこまで自分らしい演奏ができたか、という所で、悔やまれるところがあります。
ただ、プロの演奏家としてみなさんの前で演奏させて頂くのに、演奏会をこなしていくのではなくて、
自分を叩く場も叩かれる場も、常に持っていたいと思うのです。
いつか、こういう事をしなくてもよくなる日が、
もしかしたら、出来なくなる日が来るかもしれませんが。。」
「ちょっとした悩みごと」
「夜中に急に「キリンの鼻ってどんなんだったっけ??」と思ったら眠れなくなりました。」
「沢山の新しい事」
「1歳半の娘がいます。
気がつくと力こぶが出来ていました。
以前にも増して、探し物をするようになりました。
早寝早起きになりました。
季節を肌で、目で、鼻で、耳で感じるようになりました。
あまりにも初めてのことばかりなので、他の子と比較されても、
「そんなものなのね。」とよく分かりません。。
私は「対娘」だけで良いと思っているのですが。」
「すごい人」
「6/1 山本亜美さんとのデュオコンサートのための
新曲「星になった男」を作曲された溝入敬三さんに見て頂きました。
溝入さんはいわずもがなコントラバス奏者としては大変有名な方ですが、
お会いすると、とても謙虚で、ユーモアがあって、自然体な方でした。
考えてみると、私がお会いしたすごい方たちは、共通して謙虚で
「自分は偉いんです。」オーラをまったく発していません。
逆に本当に謙虚すぎる程です。
きっと、はるか上をいつも見つめているからなのではないかと思います。」
「正と誤の間」
「この頃、怒る(腹をたてる)ことが少なくなりました。
疑問を感じたり、がっかりしたりはあっても、「自分と違う」価値観や行動に対して
少しは理解が出来るようになったように思います。
その本人が無意識であれば、確認をしたり、促したりは出来ても、
「間違い」の札をあげる事は今の私には出来なくなりました。
さらに、そういう状況に自分が追い込まれると拘束や窮屈を感じるようになりました。
正誤の間に余白を下さい。」(6/15/05)
「憂鬱な時期(ころ)到来」
「雨は嫌いではないのですが、気圧のせいなのか、頭痛が多くなって、古傷が痛むので
この時期はやはり過ごし難いです。」(6/18/05)
「解決!」
「やっとキリンの写真を見ました。」(6/20/05)
「筆無精あらわる」
「かなり煮詰まった日々が続いていました。時間が全くなくなった訳ではないのです
が、パソコンに向かうということに気持ちの拒否反応が起こりだしました。ひどい日
には携帯電話に出たり、メールや留守電をチェックするのさえいやになりました。
言い訳はなにもありません。
御迷惑をおかけした皆様、ごめんなさい。」(7/17/05)
「IEMA 1」
「7/9〜15日 IEMA(アンサンブルモデルンアカデミー)に参加してきました。
現代音楽アンサンブルのトップ集団の方々からレッスン、レクチャー、シンポジウム
を通して現在の現代音楽をより深く知る事が出来ました。それ以上に勉強になったの
が、「音楽に対する姿勢」です。与えられたものをこなすのではなく、自ら考え、
課題を与える。そして、自分が持っているもので人に与えられるものは惜しみなく提供
する。そして、人の意見、音楽を良く聴く。当たり前のようで、出来ていなかった事、
再確認できてよかったです。」(7/17/05)
「IEMA 2」
「本当に日本人です。最初の三日間は、話し掛けられず、質問が出来ず、こんなに自
分が恥ずかしがりやだとは思いませんでした。何のためにこの場にいるのか分からな
くなるくらいでした。演奏をしてやっと自分を取り戻して「ここで得るべき事」を考
え直し出しました。モデルンの方は私の一つの投げ掛けに何倍もの答えを返してくれ
ました。」(7/17/05)
「IEMA 3」
「邦楽器は私の誘った尺八の小浜君との二人だけでした。
最終日のコンサートでCageのFive を演奏しました。
「このコンサートに箏があることに違和感を感じるどころか、必然性を感じた」
といって下さった方がいてとても嬉しかったです。
私が身を置きたい世界は、箏が様々な空間、人々の間で、一つの存在としていられる
世界なのだなと強く思いました。」(7/17/05)
「トラトラトラ」
「8/11,19,20,21と文化村シアターコクーンで催されている「センセイの鞄」の演奏を
してきます。丸田美紀さんが全編で入り、私は数日のトラ(代役)です。即興的な舞台の
音付けは今まであったものの、演劇に楽曲をピッタリとつけていくのは初めての経験です。
総合舞台と言うべく、様々な人が一つのものに関わり、時間をかけ、細かく見直しをくり返し、
また本番では、練習から一歩踏み出て、聴衆との関わりで一瞬を変化させていく…。
今回、演劇と言うジャンルから、改めて考え直す機会を頂いたように思います。
しかし、突然その場に踏み込むトラというのはとても緊張度が高いです。」(7/31/05)
「何もない…」
「前述した「センセイの鞄」のリハーサルで精神力を消耗し、逃げるように八ヶ岳の
友人の家に行ってきました。あづさから見える、家並み、町並みがどんどんなくなり、
緑の風景に変わっていくと、それだけで気分が落ち着いてきました。友人宅では何を
するでなく、「悪魔のイス」と言われる離れられなくなる椅子に寝そべったまま、時
間を放棄してしまいました。夜、気が付くと手探りをしなければいけない程真っ暗で、
自分の身体の音が聞こえる程、静かになりました。
この時間、今の私には必要不可欠です。」(8/3/05)
「思いやりと甘やかし」
「この頃、サービス過剰が目について、耳について…、たまに助けられる時がある
のも事実ですが、大抵煩わしい事が多かったりします。かゆい所まで手が届くのは、
はたして思いやりなのか??考える能力が欠如した人間が増えてきて、本能のみで
行動する人間が増えそうで、文明の進化に人間が理性を持って行動できるのか…、
怖い世の中になりそうな気がします。人を育てるための、時に厳しい思いやりのある
サービスってないでしょうか。」(8/15/05)
「なさけなく」
「8/28 野村さんの新作では初めて「なさけなく演奏する」を経験しました。
俳優の柏木さん曰く、「名優こそ沢山の表情を持ちます!」 確かに!!
しかし音で表現するのはなんとも難しかったです。
そう言えば、音楽用語では見ないですよね。」(8/30/05)
「図書館通い」
「時々、無性に文字を読みたくなって、本を急に読み出します。
今は現代作曲家の著書にはまって、武満徹、湯浅譲二、三善晃と
立て続けに読んでいます。」(9/5/05)
「お母さんの背中」
「娘と行動することがとても多いです。極力そのようにしています。
労力は数倍になり、回りにも迷惑をかけてしまう事も多々なのですが、
自分の活動している姿をできるだけ見せておきたいと思うのです。」(9/10/05)
「Ellen Fullmanさん」
「9/9 L.S.I(Long String Instrument)の発明者Ellenさんと箏衛門で即興ライブを
しました。全長18メートル、40本もの銅の弦の姿は造型美術を見る様でした。
持続音が穏やかに移行していく、楽器から出てくる音は笙の様でもあり(前日の
9/8には笙の石川高さんともセッションをしていますが。。)、電子音であり
ながら、血液の流れや、脈、肉体をイメージさせるものでした。
今回は2日のみの公演、おしかったな。。」(9/10/05)
「暗号譜?!」
「何ページにも渡る合奏曲は大抵パート譜にしてしまいます。
(他のパートとの絡みが重要な曲は別ですが)
大体練習をしていくと、曲の全体がつかめるので、パート譜は
かなりおおまか…というか私だけにしか分からないそうです。確かにそうかも?
手の細かい部分は大きく、リズムが分かっているものは数字のみ、
繰り返しは×何回。摩訶不思議な、落書きです。
曲名、パート、名前が書いていなければ、忘れたが最後、捨てられてしまうかも!!
なんだこりゃ、と思ったものがあったら、それ私の重要な楽譜です。」(10/7/05)
「人間は変わらず…」
「移動の時に買った、山本周五郎の「赤ひげ診療譚」。面白くて2日で読んでしまいました。
歴史物でも、文から見える情景が、司馬遼太郎は明るく、
山本周五郎はもやがかったような暗いものを感じるのは私だけでしょうか。
「いつも、本当の罪を知らない人が、罪を裁く。」実際、上からの観点で物事を判断
してしまうと、それに相当しない人たちがどんどん追い詰められて行きます。
どの時代にも、変わらずに存在する問題の様です。
私には無縁の世界、政治に関わっている方に読んでもらいたいです。
「いつも、本当の音楽を知らない人が、音楽を批評する?!」」(10/9/05)
「邦楽」
「この度の12月の私のリサイタルは、技術追求におさめず、内面から発信するものを
もちたい、と「こえ、発声」の企画にしました。それに向け、それらしきものは目を
通し、耳をそばだてているのですが、ここに来て根本的な悩みが発生してしまいました。
今まで、無意識に箏は邦楽器、私は日本の楽器を演奏していると思い込んで来たので
すが、箏は日本オリジナルの楽器ではない上に、現在はいわゆる「邦楽曲」が片隅に
いってしまい、日本の音楽と言うにはあまりにも知らない人が多くて、これが本当に
「邦楽=日本の伝統音楽」と思って良いのだろうかと深みにハマってしまいました。
何だか、ことばに惑わされてきたような気がするのです。
箏は箏でしかなく、現在日本にある多くのジャンルの音楽の中では日本に居た
歴史が長い分、独特の音楽感を持ち得る楽器としか言い様がないように思います。
みなさん、どう思いますか?」(10/9/05)
「海にむかって」
「大倉正之助さんに囃子の発声などについて教えていただきました。
一つの声が出てくる時のエネルギー、肉体の維持、呼吸の瞬間、
果ては、自身の哲学まで、伺えて良かった事がたくさんありました。
大倉さんは月に一度(満月の夜とか)、バイク仲間と共に海で集合。
海に向かってセッションしているとか。全ての声が波やまわりに
かき消されながら、個(孤独)の音を実感する良い機会だそうです。
デッドな空間では、弾き辛さのうえに力んで自滅する事も多い私は、
今度是非御一緒したいと思うのでした。」(10/15/05)
「どうした、どうした!?」
「今年に入って、何故か自慢の体力にもかげりが...。
3月には声が出なくなるほど、風邪が悪化し
6月は足の甲が原因不明に炎症をおこして腫上がり
10月は口や目にばい菌が入ってかぶれをおこし
本番に辛うじて支障が出ない程度に治まっていたのが幸いでした。
自己管理の大切さ、健康一番を改めて重く感じるのでした。」(11/6/05)
「急に...」
「ここ数日で冬へ一歩も二歩も近づきました。
空気が冷たいです。
みなさん、大事にして下さい。」(11/15/05)
「やはり過酷に」
「例年にない寒さと大雪に見舞われた今年の冬。
そのような時期にコンサートをやる方も、聴きにくる方も大変な事と思います。
8年ぶりのソロリサイタルは、お客様のためにも自分のためにも
ただ、気候、天気はよくあってほしいと願う毎日。
高速道が次々と通行止めになるのには、楽器運搬と配送などの心配が尽きず(現に
プログラムは当日まで届かず。)体調も壊しかけながら、全ての無事を祈るばかりでした。
そして何とか終演しても次の日には三絃の会で苦手の暗譜を三曲抱え、
ホットも出来ずに一日を終えたのでした。」(12/25/05)
「今年も(昨年も)お世話になりました? 来年も(今年も)宜しくお願い致します。」
「12/31,今年の締めくくりはピアノの中川賢一さんとのリハーサルです。
年の瀬だから逆にゆっくり時間を取って練習が出来るという感です。
年越しそばならぬ年越しリハ。そして翌日には新年リハ。
こんな過ごし方が出来る事は幸せですね。」(1/1/06)
「新しい年明けに」
「あけましておめでとうございます。
昨年は私にとって慌ただしくも前進に向け、
自主企画の目白押し(?)の一年でした。
ここまで、張り切ったのは、私の知的好奇心そのものだった様に思います。
今年は、どうしましょう…なんて自分の中ではかなり計画を
すすめているのですが、決まり次第、皆様にお知らせ致しますね。
それでは、皆様にとりまして、良き一年になりますように。
世界中の笑顔が少しでも増えますように。。」(1/1/06)
「新年会」 (その時の模様です)
「ピアノの中川賢一さんに誘われて下北沢で催す(?)
という新年会に行って参りました。
プロとアマチュアとが一緒になって演奏をして、聞いて、食べて飲んで...
音楽をしているのって純粋にたのしいんだな。。。と思う新年でした。
イタリアンシェフとなり厨房を仕切っていた稲垣聡さん
(実はピアニスト)、本当においしかったです。」(1/7/06)
「いざ!ドイツへ!!」
「昨年、アカデミーを受講したIEMA(アンサンブルモデルン
アカデミー)が忘れられず、何か個人的にIEMA で
発展的なことができないかとずっと考えていました。
超多忙な人々なのでメールや電話、手紙ではなく、
直接会いに行く事が一番とのアドヴァイスを受け、
楽器と共にドイツ、フランクフルトへ行ってきました。
リハーサルの合間を縫って、お話しする時間を作って下さり、
かなり好意的に本当に良い結果がでました。
本当に百聞は一見にしかずをしみじみ感じました。
結果がどのようになったかは、後日お知らせしますね。」
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